WEB・CD-ROM・DTPのサムクイックがお届けするコラムページ「私的事情」です。 どうぞごゆるりとお楽しみください。

 
 
 
村井知生 1971.11.28 B
後天性ヒキコモリ気味なお遍路野郎。
一人でいると外にでたくなり、外にでると帰りたくなる。ペシミスティックなオプティミストを標榜し、日々此れ勉強。宮沢章夫のコラムが好きだが、電車の中で笑っていると変質者じみていて、堪えると苦しく涙が。。。

 
お遍路徳島編(7)無銭宿
2006.05.15


山登りの翌日は山下りと決まっている。いや、決まっていないかもしれないが、この行程では山下りとなる。仲良くなった人たちと別れ、ブラブラ森を散策。別に急ぐ旅でもない。「別れ」と書いたが、目指す先はまったく一緒なのでそのうち会うだろう、と思っていたらやっぱり合流。

そういえば、山を散策しているときに町内放送が流れた。こんなの東京じゃ聞けないからね。何を訴えたいのかと耳を澄ましていると「JA安売り情報」だった。芋が安いって聞かされても私は困るが、住民にとっては大切な情報なのだろう。

さらに歩くと、唐突に「軽井沢」という看板が。う〜ん、でも何が軽井沢なのか、そしてこの「軽井沢」という看板で何を訴えたいのかもわからん。「軽井沢」というお店があるのかしらん。もしくはラブホか!?けど、道案内らしきものもないし、連絡先もない。ただ「軽井沢」とだけ書いてある。不思議、不思議だ。四国7不思議に数えても良いくらいだと思うが、他の6つについては触れない、触れられない。

途中、川などがあったのでしばし川遊び。9月の初めで陽気も良い。気がついたら3人くらいのパーティーになっていた。金髪フリーターはいるわ、高校中退の10代はいるわでバラエティは豊か過ぎるほど豊か。まあ、私としたところで人のことは言えないけどね。多分誰よりも悩みがなく、誰よりも危機感なく生きているというくらいなもので。

夕方になって休むところを探すことに。お遍路さんの多くは「お遍路地図」を持っていて、そこにはトイレの場所や東屋の場所、そして無銭宿の情報など多岐に渡って記されている。当然軟弱者な私もしかと持っている。無銭宿とは「歩きお遍路さん専用のお接待(無料でとめてくれる)宿」である。正式な定義は知らないが。目指していた無銭宿はなんとタクシー会社の2階。運転手さんたちが仮眠するところだ。いやはや、ありがたい話。

かの仲間連中もそこで休むとのことで、後から来た1人と一緒に泊まることになった。落ち着くと周りが良く見えてくる。そうだ、3日ほど洗濯もしていない。荷物を置いてコインランドリーに急行。部屋着とかも持っていないことに気がつき、慌てて近場の「アパレル」で購入。本当に何も装備がないのだわね、アウトドア関連は。靴とかバッグとかは嬉々として購入したのにさ。

みんなでラーメンを食って宿に帰る。軟弱きわまれり。まあ、それぞれの目指すお遍路があってもいいじゃないか、ねぇ?



【不定期ブックレビュー】


ダ・ヴィンチ・コード 角川書店 ダン・ブラウン
2006年春に映画化決定。組織などはすべてリアルなものであることを前提に展開された小説。アクション要素や歴史的示唆なども盛り込まれている。ダ・ヴィンチは好きな画家であるし、歴史背景も面白いので読んでみる。ただ、プロットやトリックはかなり物足りないものがあった。かなり期待先行だったからかなぁ〜。
キリスト教の歴史観と存在意義については考えさせられるものがある。小説を読みながらかなり脱線したことに思いを馳せている自分がいた。
 
Back Number
 04.7.8  
04.7.14
04.7.16
04.7.28
04.08.06
05.02.16
05.02.25
05.04.04
05.04.22
06.02.03
No.001 お遍路事始(1)「動機」
No.002 お遍路事始(2)「修行」
No.003 お遍路事始(3)「旅立つ者」
No.004 お遍路徳島編(1)「四国」
No.005 お遍路徳島編(2)「お遍路さん」
No.006 いや、少々お待ちください(言い訳君)
No.007 お遍路徳島編(3)「お接待」
No.008 お遍路徳島編(4)「友人」
No.009 お遍路徳島編(5)「9.11」
No.010 お遍路徳島編(6)「山登り」




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