WEB・CD-ROM・DTPのサムクイックがお届けするコラムページ「私的事情」です。 どうぞごゆるりとお楽しみください。

 
村井知生 1971.11.28 B
後天性ヒキコモリ気味なお遍路野郎。
一人でいると外にでたくなり、外にでると帰りたくなる。ペシミスティックなオプティミストを標榜し、日々此れ勉強。宮沢章夫のコラムが好きだが、電車の中で笑っていると変質者じみていて、堪えると苦しく涙が。。。

 
お遍路事始(1)「動機」
2004.07.8


お遍路。

皆さんはお遍路を知っているでしょうか。四国八十八箇所を巡る巡礼の旅を人はそう呼んでいます。元来、四国に生まれた弘法大師空海が始めたことから、空海の教えを実践しようとする人々が倣って歩きだしたそうです。つまり修行の旅というわけです。

私はお遍路をする必要はありませんでした。というより、お遍路が何なのかも知りませんでした。空海と日蓮の区別さえついていなかった有様です。3年前、仕事も辞めてしばらく時間が空き、「何かしたいんだが、これといって何もしたくない」という思いが私を四国に連れ出しました。2001年9月10日のことでした。

直接の動機はなんだったのでしょう。四国に所縁のない男。四国に行きたいわけでもない男。四国にある県名をすべて言えない男。そして、弘法大師を知らない男。歩くのが好きだったかと聞かれれば「それほどでも」と答えるしかありません。アウトドア派ではさらさらなく、インドア派を越えたヒキコモリ派と評される男。

何気なくお遍路を考えていた私は、「兎に角!」と思い百貨店にいきました。何でも揃っているような気がしたからです。そこで必需品であると多くの人から勧められた「トレッキングシューズなるもの」を発見しました。価格は……23000円……高くないか、これは?無職、そして将来も見えない、そんな折も折でした。

でも、何だか縁があるような気がしたのです。23000円の「トレッキングシューズなるもの」を我が手中に収めたその瞬間、私は本気で四国に行く決意をしたのでした。

<次回予告:「修行」>





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