WEB・CD-ROM・DTPのサムクイックがお届けするコラムページ「私的事情」です。 どうぞごゆるりとお楽しみください。

 
 
 
外村 大 左の写真は、韓国ソウル、清渓川の上の橋に建てられた全泰壱(チョン・テイル)の像。勤労基準法遵守を叫び焼身自殺を遂げた人です。像の周りの歩道には、個人や労働組合によるメッセージ入りのプレートが埋め込まれており、興味深く読みました。足元が重要、ちょっと立ち止まって見てみましょう。ずっと、そればかりも困るのだけど…。
 
第1回:確かにブームではある
2004.07.20


  テレビというものとほとんど縁がない(一日平均視聴時間たぶん1分以下。これはテレビを見ている自分の子どもに食事だと伝える時に目に入る時間)私が、「冬のソナタ」の話を聞いたのは、去年の秋くらいだっただろうか? 義母が何とかという韓国のドラマにはまっているという話を妻がしてくれたのである。つまりは、口コミで何やら韓国のドラマでうけているのがあるという情報を得たわけであるが、その後は一般的なメディアでも「冬のソナタ」が取り上げられ、朝鮮・韓国の研究をやっている者の端くれとしてそれなりに気にするようになった。
  その後は気にしなくても、「冬のソナタ」の話をしてくれる人に多く接するようになった。今はもはや、食傷気味である。それに、そもそもドラマ自体を見たことがないので、話をされてもついていけないのである。30分くらいで大体の内容やポイントがわかる「冬のソナタ・ダイジェスト版」を誰か作ってくれないかなどと思っている。
  ちなみに、日本ばかりでなく、2月末に韓国に行ったときにも、韓国人の友人から"「冬のソナタ」が日本でブームになっているという噂があるが本当か"と聞かれた。質問をしたのは留学経験の長いかなりの日本通の友人であったが(あるいはそうだからこそ)、"「冬のソナタ」が日本で大ヒット"説が眉唾モノだと思ったのであろう。これまで、韓国(あるいは韓国人の、韓国製の)の××が日本でヒットしていることを、韓国のメディアが大げさに伝えるケースはこれまで無きにしも非ず、だったので。
  前置きが長くなったが、確かに「韓国ブーム」である。それを実感したのは、4月頃だったか、電車のなかでNHK語学テキスト「アンニョンハシムニカ」を一生懸命勉強している中年女性を見た時である。さらに先日、新大久保職案通りによった際、韓国書籍・CDショップが(当然、「冬ソナ」コーナーあり)、日本語ネイティブの女性たちでにぎわうのを目の当たりにし、確かに相当なブームだな、と思った次第である。
  しかし、歴史を勉強してきた人間としては、ついついいろんなことを考えてしまうのである。次回以降、それについて述べていくこととする。
  おまけの余談。「冬のソナタ」が日本で話題になり始めていた頃、韓国では「大長今」というドラマがヒット中。で、NHKは今回、「大長今」を買い取り、衛星放送で流すことになった。ヒロインの徐長今役はJSAなどにも出演していて日本のファンにもおなじみのイ・ヨンエ。今度は日本人男性の間にイ・ヨンエブームが来るか? それと「大長今」は、宮中の料理人の話であり、漢方にもかかわる話なので、例えば「大長今のレシピ」とか「健康になる韓国伝統料理」といった本が出そうな気もする。何か良い企画がないか探している出版社はさっそく調査すべし(もう、動いているところがありそうな気もする)。
  私も「大長今」は見てみようかと思うが、時間もないし、たぶん無理。大ヒットして誰か見たらかいつまんで内容を教えてください。

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