WEB・CD-ROM・DTPのサムクイックがお届けするコラムページ「私的事情」です。 どうぞごゆるりとお楽しみください。

 
 
 
村井知生 1971.11.28 B
後天性ヒキコモリ気味なお遍路野郎。
一人でいると外にでたくなり、外にでると帰りたくなる。ペシミスティックなオプティミストを標榜し、日々此れ勉強。宮沢章夫のコラムが好きだが、電車の中で笑っていると変質者じみていて、堪えると苦しく涙が。。。

 
お遍路徳島編(9)鯖太師、温泉、モスキートー
2007.5.14


なんとも亀のような歩みのこのコラム。それでも続けることに意味はあるかもしれない。

薬王寺から最御崎寺(第二十四番)までは80km以上ある。今までで最長区間だ。室戸岬までいくわけだから海沿いをてくてく歩く。1日休みを入れたことで身体は良好な反応をしめしている。いけるところまでいってみるさ。

とはいえ、私はそれほど無計画な人間ではないので、頭の中である程度の計画を立てる。アクシデントがあれば臨機応変に軌道修正。ただ、私自身が大抵思った通りに動かないので、「行き当たりばったり感」を人に与える。実際人がどう思うかは大した問題ではない。自分の方向性はくずさない。

この日は、「鯖太師」もしくは「白浜」をゴールと決める。80kmほどなので、ちょうど半分に割って1日40kmをめざす。鯖大使だとちょっと距離を残しすぎる。行けるのなら白浜まで突っ走る気構えでスタート。

鯖大師までは順調に行く。これは大した距離ではなかった。洞窟などがあり、楽しく一休み。けどね、鯖って。。。鯖大師恐るべし。楽しかったけど。

次は宍喰温泉へレッツラホッチラ。途中で行き倒れみたいなお遍路さんに会う。何だか、借金に追われて家族を捨てて歩いているのだそうだ。年のころは50代半ば。どうすんだよ、これから。なんて自分を棚の上の方に上げちゃってね。まあ、人のことなんてどうでもいいので、さっさと温泉を目指す。

到着。テレビなんかもあり、ゆったりくつろぐ。それにしても、どの辺で煩悩を捨てれば良いのか分からん。マッサージチェアなどもあり、身体をほぐす。東京にいるよりよっぽど温泉に入っているな、なんて無邪気に思う。

温泉でくつろいでそのまま寝られれば良いのだけれど、無駄にヘビーデューティーな仲間が出来ていたせいで野宿してみようかと白浜を目指す。この決断が悪かった。白浜はサーファーのメッカらしく、若者でごった返し。まあ、クタクタになっていたので、そのまま就寝。と思ったら、ココは蚊が多すぎる。蚊取り線香も用をなさない。都会っこの私はご他聞にもれず蚊が苦手だ。朝方まで格闘し、力尽きて寝る。対処策を考えなければね。



【不定期ブックレビュー】


グロテスク 桐野 夏生
なんとも内症的な小説。視点がセクションごとに変わる。主人公と言える、姉の視点が小説全体を貫いてはいる。人間の弱さと志、生き方に関わる心の機微がなんとも言えない。読んで気持ちのよくなる小説ではないが、読み途中で感じていたほど読後感は悪くない。
それにしても、みんながみんな自分を追い詰めて生きていくものだと感心した1冊。
 
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No.001 お遍路事始(1)「動機」
No.002 お遍路事始(2)「修行」
No.003 お遍路事始(3)「旅立つ者」
No.004 お遍路徳島編(1)「四国」
No.005 お遍路徳島編(2)「お遍路さん」
No.006 いや、少々お待ちください(言い訳君)
No.007 お遍路徳島編(3)「お接待」
No.008 お遍路徳島編(4)「友人」
No.009 お遍路徳島編(5)「9.11」
No.010 お遍路徳島編(6)「山登り」
No.011 お遍路徳島編(7)「無銭宿」
No.012 お遍路徳島編(8)「小休止」





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