WEB・CD-ROM・DTPのサムクイックがお届けするコラムページ「私的事情」です。 どうぞごゆるりとお楽しみください。

 
 
 
村井知生 1971.11.28 B
後天性ヒキコモリ気味なお遍路野郎。
一人でいると外にでたくなり、外にでると帰りたくなる。ペシミスティックなオプティミストを標榜し、日々此れ勉強。宮沢章夫のコラムが好きだが、電車の中で笑っていると変質者じみていて、堪えると苦しく涙が。。。

 
お遍路徳島編(8)小休止
2006.10.24


1番から10番、少しはなれて11番から17番札所まではかなり近い感覚にある。当然、お遍路を始めたばかりの頃なので、一つ一つクリアしていく楽しみがある。18番から23番までも、近くはないがそれなりに1日数寺を闊歩することが可能。それぞれの寺にはそれぞれの味があり、また、一緒に歩いている奴らと遭遇することも多いのが最初のエリアだ。

しかし、23番(薬王寺)から24番(最御崎寺)は延々海岸線を歩く道だ。それも約80kmほどあるため、歩いて踏破することは適わない。飛脚ならいざ知らず、私はダメ人間なので薬王寺では二泊することとなった。

幸いにも、ツレがいて、彼も二泊を希望していた。さらにバスを改良した無銭宿に特別二泊させてもらえることになり、嬉しくて涙がでるほどだった(誇張気味)。あまり先を急いでもしょうがない。四国から手紙も出してみたかったし、洗濯も集中的に(すべて)行ないたかった。また、薬王寺のすぐ近くに千羽温泉があり、13時から21時まで温泉付ロビーで寛げる。受付の方に「そんなすごし方をしても良いのでしょうか」と恐る恐るたずねて見ると快く「オッケー」の回答が。嬉しい。翌日も来ることを約束して宿(バス)へ。

翌日はコインランドリーで洗濯。飯を食ってその辺を一回り。サンダルが欲しいと思い、「くつやベル」というお店へ入る。おばちゃんが格安のサンダルを見繕ってくれる。ナイス。「で、いくら?」と聞くと、「ああ、いいよ、お接待してあげる」とのこと。いや、靴屋さんで靴を接待されるというのもおかしな話。けど、人の善意はあっさり受けるのが私の生き方なので、感謝していただく。

13時には千羽温泉へ。まず風呂に入り、夢気分。その後ロビーで手紙を数通書く。それまでの行程を思い出しながらの楽しい作業。文庫本などもあったので、久しぶりに読書。何を読んだのかはもう忘れてしまったけれど。夜はツレと飯を食いながらバスで談笑。おっちゃんお遍路が到着し、3人で盛り上がる。さすがに酒はなかったが、ゆっくりとした1日を過ごす。

さあ、明日からは長い道のりだ!ってところで就寝。お疲れ!



【不定期ブックレビュー】


疾走 重松清
私はキリスト教徒ではない。というより、宗教に入るつもりはない。でも、宗教という存在には興味を持っている。主人公の年からはかなり離れてしまった今、多分私は私の感じ方でこの本を読んだ。精神の袋小路はどこにあるか分からない。外的要因もあれば内的要因もある。他人とのつながりで人間が生きていることをどこで認識するのか、その認識が早いか遅いかで、人の生き方は変わってくるのかもしれない。良きにつけ、悪しきにつけ。
 
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No.001 お遍路事始(1)「動機」
No.002 お遍路事始(2)「修行」
No.003 お遍路事始(3)「旅立つ者」
No.004 お遍路徳島編(1)「四国」
No.005 お遍路徳島編(2)「お遍路さん」
No.006 いや、少々お待ちください(言い訳君)
No.007 お遍路徳島編(3)「お接待」
No.008 お遍路徳島編(4)「友人」
No.009 お遍路徳島編(5)「9.11」
No.010 お遍路徳島編(6)「山登り」
No.011 お遍路徳島編(7)「無銭宿」




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